タムデュー 2006-2020 シングルカスク 59.1% ヨーロピアンオーク・ファーストフィル・オロロソシェリーカスク / OB for スリーリバーズ

容量：700ml
ボトラーズ：オフィシャル　※インポーターのスリーリバーズ向け(国内向け)
生産地域：スペイサイド
蒸留所名：タムデュー
樽の種類：ヨーロピアンオーク・ファーストフィル・オロロソシェリーカスク
カスク№：4924
蒸留年：2006
熟成年数：13年
ボトリング年：2020
度数：59.1％
総本数：323本
発売時期：2021年1月　※参考価格　税抜2万円代中盤～後半
飲んだ場所とタイミング：ハリーズ高岡　2021年2月
コンディション：開けたて

タムデュー蒸留所は、かつてエドリントングループが所有していたのですが、2011年にイアンマクロードに売却されたスペイサイドの蒸留所です。

このボトルはオフィシャルで、インポーターのスリーリバーズが選定し、ボトリングされたものです。

スペイサイドの中でもタムデューは、ボトラーズからのリリースは少なく、オフィシャルのシングルカスクもあまりリリースされることがなかったものの、特に麦芽の麦々しい感じを感じさせるものや、ハイクオリティなシェリー樽のニュアンスを感じさせるリリースがある蒸留所で、個人的には非常に期待をしていたボトルです。

モルトヤマ　店主　下野孔明のテイスティングノート

香り：明らかに濃厚なシェリー樽の香り、多彩で強いスパイス感を伴うスパニッシュオークの樽のウッディさ、チョレートソース、アメリカンチェリー、デーツ、モルトビネガー。

味：しっかりとしたボディ、濃厚だが重すぎず滑らかで、バランスが良く引っかかりは少ない。チョコレートソース、スパイスや適度なタンニン感じる濃厚なシェリーだが伸びがあり、意外なほどスムース。アメリカンチェリー、デーツ、煮詰めたプルーン、バルサミコやラズベリージャムを使った濃厚なステーキソース。後口は上品にシェリーのコクを残して消えていき、嫌味がない。

一口飲んだ瞬間に、ハイランドパークのオフィシャルのヨーロッパの空港など向けのシングルカスクのヨーロピアンオークのシェリーカスクの物のいくつかにめっちゃそっくりだと思い、驚くとともに笑みがこぼれました。

ハイランドパークっぽいのではなくて、シェリー樽のニュアンスがまるでそっくりでした。

おそらく、かつてエドリントングループでだったために、同時期にハイランドパークとタムデューで近いスペックの樽か、もしくは同じシェリー樽のメーカーから仕入れていた樽を使用していたからかもしれません。

現時点では麦芽感はあまり強くなく、シェリー樽由来の味が強くて、それでいて意外さを感じるくらいスムースっていうのはある意味、現代的なものの一つなのかという感じがあります。

ただ、このボトルが、ボトルのまま経年で変化し、枯れて味わいが馴染んで麦芽由来の甘みが少し強調されたら、多少なりとも往年の濃厚なシェリー樽のモルトに近づくのではないかと思わせるような複雑さやポテンシャルの高さもあるので、将来の変化も楽しみです。

このボトルで、飲み手の方々からオフィシャルのタムデューへの期待感や関心が一気に高まると思いますが、私自身も今後さらに注目をしていくべき蒸留所だと確信が持てた素晴らしい1本で、シェリー樽の好きの方には見かけたら迷わず飲んでいただきたい1本です。

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