ニッカウヰスキー余市蒸留所のマイウイスキーづくり ~ローラーミル&マッシュタン編~
初めてマッシュタンの中に入らせていただきました。
1日目の最初にキルン(乾燥塔)を見せていただいた後に見せていただいたのが、こちらのローラーミルです。
ローラーミルは、モルト(麦芽)を粉砕する為の機械なのですが、モルトウイスキーの製造上、単に細かく粉砕すればいいというわけではなく、グリスト(粉砕麦芽)を、
ハスク:グリッツ:フラワー=2:7:1 (※粒度が大きい順)
という比率で、挽き分ける必要があります。
比率は、蒸留所によって微妙に異なる事がありますが、概ね、この比率です。
その為、単に粉々にするのではなく、2本1組のローラーが2組で、粒度を調整して粉砕できるローラーミルが必要なのです。
少し、難しい話になってしまうのですが、細かく粉砕すれば、たしかに、後の行程で、糖分を多く効率的に取りやすそうに思うのですが、すべて細かく引いてしまうと、ハスクがマッシュタンの底でフィルターの役割を果たせなくなり、また、粘度が高くドロドロになって、詰まり、麦汁を取り出すことが困難になるため、この挽き分けが重要なのです。
現在使用されてるモルトミルは、調べたところ、Bühler(ビューラー)というスイスに本社がある穀物加工や食品製造のための機械を製造している会社から購入されているようで、 今まで、日本とスコットランドの蒸留所で多数のローラーミルを見せていただきましたが、かなりコンパクトなタイプですし、非常に新しいです。
『昔、ある会社のローラーミルは、非常に丈夫で、壊れにくく、何十年いう単位で使え、未だに使えるので、皮肉なことに新しい商品が売れず、そのローラーミルを作っていた会社の経営が傾いてしまったとかどうとか。』という笑えない笑い話は、スコットランドの蒸留所の見学をすると、ちょくちょく耳にしますが、それくらい、ローラーミルは壊れにくく、メンテナンスをしっかりすれば、長く使えるようです。
↑上の写真の装置は、Bühler(ビューラー)製の麦芽粉砕度測定器で、グリストの具合を確認するのに使われています。
↑そして、上の写真がグリストとお湯を混ぜて、マッシュにし、ウォート(麦汁)を取り出すためのマッシュタン(糖化槽)です。
グリストとお湯が混ざって、マッシュになり、撹拌されることにより、麦芽のデンプンが麦芽の酵素によって分解され、麦芽糖やブドウ糖という糖が得られます。
後の発酵の工程で、酵母がアルコール発酵を行う際、デンプンのままでは、酵母が資化出来ない(※酵母が食べてアルコールを作ることが出来ない)ので、マッシュタンでの糖化の行程が必ず必要です。
↑こちらが内部で、既にマッシュから麦汁を絞り出したあとで、清掃途中の状態です。
底面をよく見ると、金属の底にすのこ状の隙間が開いており、マッシュを張った状態で、底のバルブを開ければ、そのすのこ状の床とハスクによってウォートが濾し取られ、搾りかすであるドラフが残ります。
ドラフに関して、最終的に、人がマッシュタンの内部に入り、水切り(※トンボみたいな形で、水場の床の清掃に使われる道具)によってマッシュタンの中の底に設けてある穴のなかに廃棄され、毎回、マッシュタンの中はきれいに保たれます。
なお、ドラフに関しては、単に廃棄されるのではなくて、北海道内の牛の餌として、有効利用されているので、決して無駄にはなりません。
↑この上の写真の液体が、ウォートで、その中でも一番搾り麦汁です。
飲ませていただきましたが、非常に甘いです。
本当に濃厚な麦芽の甘さなので、小さなプラカップに入った少量すら、飲み干せませんでした……ごめんなさい……。
以上、ローラーミル&マッシュタン編でした。
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