シングルモルトを知る@ジェイズバー(池袋)番外編1 シングルグレーン川崎/イチローズ チョイス

今回は、番外編ということで、池袋のJ’s BARにお伺いした際の番外編として、ちょっと脱線した感じで、書いていきたいと思います。 
 
タイトルの通り、今回はシングルグレーンウィスキー『川崎』に関して書きたいと思います。 
 
 シングルグレーンウィスキー 川崎1981 62.4% / イチローズチョイス 
 

こやつは、注目のベンチャーウィスキー社からリリースされているグレーンウィスキーで、今は亡き川崎蒸留所で蒸留され、山梨の貯蔵庫にてリフィルシェリーバットにて熟成され、秩父蒸留所にてボトリングされた貴重な長期熟成のシングルグレーンウィスキーです。

おまけに、カスクストレングス、ノンチルフィルタード、ノンカラーリングです。  
 
ヴィンテージにより色が違い、いずれも非常に濃い赤色系で、記憶が確かなら1976年ヴィンテージの赤みが、濃かったように思います。3本同時に見たわけではないので、間違っていたらすみません(汗) 

ヴィンテージは1976年、1981年、1982年の3つがリリースされていますが、幸運にも前者の2本はジェイズバーで、後者の2本は東京駅のリカーハウスハセガワさんで試飲させていただくことができました。

グレーンウィスキーだからだと思いますが、表記は『イチローズ モルト』ではなく『イチローズ チョイス』となっています。 
 
  
 

 
能書きはともかく、肝心な味ですが、1976と1981をジェイズバーで頂きましたが、非常に素晴らしいと思います。共に、ボトルの残量が残り数杯という状態でしたが、シェリー香りが全開で、アルコール感と共に香りが、どっと突き上げる印象を受けました。

そして、ビンの残量の問題か、それとも熟成年数の方が問題かは分かりませんが、1976の方が若干香りが丸く、1981の方が若干香りが硬く感じられました。
 

やはり、グレーンウィスキーということで、本来の酒質は、良くも悪くもモルトウィスキーの様な複雑やさ、香りと甘みの豊かさが、少々物足りなく、線も決して太くない印象ですが、そこの乗っかっている圧倒的なシェリー感が非常に素晴らしいです。

関西弁で言うところの『えげつなさ』が無いわけではないが、寛容な気持ちでそれを受け入れたくなる個性があります。

カウンターの隣で、1976ヴンテージを召し上がっていた男性がおっしゃるには、「開栓直後は飲みづらかったけれど、残量が減るにつれて、美味しくなったよ」とのことで、最初の内かなりえげつなかったことが想像出きます。

と言うのも、どうやら、この川崎グレーンは、最終的にはリフィルシェリーバットで長期間熟成されていたものの、そもそも、その前にバーボンの空き樽で熟成されていたらしく、複雑さや飲みづらさは、もしかするとシェリー樽の影響もさることながら、バーボン樽の影響も大きく受けているからかもしれません。 
   
シングルグレーンウィスキー川崎1981 62.4%/イチローズチョイス 

また、東京駅のリカーハウスハセガワでは、1982ヴィンテージを試飲しましたが、残量がボトルの半分くらいの状態で、ハッキリ言って飲みづらかったです。

シェリー樽由来の飲みにくさと言うよりは、ブランデーとバーボンを混ぜたように、香りも味もシングルモルトではあまり考えられないくらいの華美でパンチがあり、『えげつなさ』全開でした(汗)

ただ、この1982ヴィンテージも、残量がかなり減って酸化が進めば、雑味が薄れて、シェリー感がうまく前に出てくるような、そんな期待がもてる味わいでした。

 
 
~蛇足~
ちなみに、富山のお世話になっているBARには、この1982ヴィンテージをリカーハウスハセガワで購入して、お土産にしました。

実は、モルト侍氏におすすめ頂いたダンベーガンの1990ヴィンテージ(17年熟成・46%)のクライヌリッシュと迷ったのですが、敢えて、奇を衒って、川崎1982を選択しました。

富山では、なかなか、ここまで長期熟成のシングルグレーンを飲めないですからね。差し上げたお店のマスターには、「シングルモルト好きよりも、バーボン好きな人に向いていると思います」と言って、差し上げています。 

ただ、ダンベーガンのクライヌリッシュが心残りで、かなり素晴らしいクライヌリッシュでした。

シェリー樽熟成ですが、決してそこまで個性的な物でも、自己主張が強いものでもありませんが、海や磯っぽさが出ていて、適度にピーティでクライヌリッシュらしいという点では、非常に素晴らしい出来だと思います。後日、ジェイズバーにて、ゴードン&マクファイル(GM)のケルティックラベルのクライヌリッシュ1972 36年 52.5%を頂きましたが、個人的に、ダンベーガンのクライヌリッシュの方が好きです。

GMのケルティックラベルの方は、まったりした甘さと熟成感は秀逸なのですが、海っぽいというか磯っぽいクライヌリッシュらしさが欲しくなってしまいます。

※写真が無くて申し訳ありません。

シングルモルトを知る@ジェイズバー(池袋)その5 ロングモーン1965/GM ケルティックラベル偏

先日の記事のさらなる続編その5です。

池袋のJ’s BARには、長熟ロングモーン祭りが目的で伺いました。

ついに、ロングモーンについて書きます。

最初に断っておきますが、右のGMのケルティックラベルの41年ものは飲んでいません。ただ、ラベルのデザインがある時を境に変わっているとの説明のためにモルト侍氏が見せてくださいました。ラベルの中央の表記が、真ん中と右のボトルでは、変わっていることをお分かりいただけますでしょうか?

ゴードン&マクファイル(GM))ケルティックラベル・ロングモーンと信濃屋オリジナル・エンジェルズシェア

長熟ロングモーン祭りの5本はこちらです。

1.ロングモーン 1998年 11年 46%/ エクスクルーシヴ・レンジ 

2.ロングモーン 1994年 13年 46% / ダンベーガン 

3.ロングモーン 25年 40% / ゴードン&マクファイル(GM)

4.ロングモーン1975年 34年 41.8% ホッグスヘッド(※総ボトリング53本)/ 信濃屋オリジナル エンジェルズ・シェア

5.ロングモーン1965年 43年 44.4% カスクNo.68 リフィルシェリーホッグスヘッド / ゴードン&マクファイル(GM) ケルティックラベル 
 

まず、味が云々の前に、1~3のボトルの写真がないことをお詫びしますm(@´_`@)m

写真を取るのを忘れていました(汗)

まず、1~2ですが、このラインナップにはない、GMの12年の方がバランス良く、好みだというのと、特筆するほどの個性を感じ取ることができなかったというのが正直な感想です。

 
次に、3のGMの25年ですが、ここから一気にジャンプアップします。

全く、1や2とは、飲みごたえや深みが違います。

まず、第一印象は、適度なボディとミント(ハーブ)の香りや臭めの香辛料の印象が強く、しばらくすると、香りが解れてきて、徐々にクリーミーな方向へと変化していきます。落ち着いたころには、コンポタージュの生クリーム感やミルクを思わせる香りが支配的でした。 

長期熟成ロングモーン3杯

その次に、メインのひとつの4ですが、こちらは、飲み手にかなり評価が分かれると思います。

『透明感がある』と捉えるか、『水清ければ魚棲まず』と捉えるのか、これは好みの問題だと思います。

そもそも、このボトルはリフィルホッグスヘッドで熟成させていたにも関わらず、フルカスクで53本しか取れなかったという、不思議な(怪しげな)逸品なのですが、情報をまとめると、恐らく、堕天使が樽を逆さにしてラッパ飲みした………わけではなく、樽からの液漏れであろうとのことでした。

印象は、フルーティで、長熟なモルトに感じられる樽の木香が感じられますが、非常に繊細で、味が透き通っていて、静かで、軽く、ゆっくりフェードアウトしていきます。

軽いと言っても、ローランドモルトのような軽さではなくて、少しばかり熟成が進み過ぎたことによる軽さのように思います。

お酒であることを変に意識させず、冷たい湧き水を現地で、手ですくって飲んだような透明感のある味わいです。

『陰』と『陽』なら、どちらかと言うと、『陰』のイメージが強いです。(※決してネガティブな意味ではないです。)  

 
 
大トリは、5のGMのケルティックラベルのロングモーン1965年 43年熟成です。

このロングモーンは、フルーティはフルーティでも、明らかに南国フルーティ系。キャンベルタウンロッホ10周年のボウモア1993ほど熟したマンゴー全開ではないですが、明らかにマンゴーの要素は感じられます。

表現出来無い複雑な要素が、たくさんありますが、決してボディが重い訳ではなく、穏やかな印象で、意外にもスッキリしています。

長期熟成のロングモーンの2つ(4と5)に共通して言えることは、決して重くなく、複雑だけれどもうるさい訳でなく、スッキリしている点でしょうか。

4と5は、明らか違う味わいを持っていますが、ベクトルというか芯としてもっている方向性は、大きく違わないような気がします。

 
ただ、正直な事言うと、GMの25年のコストパフォーマンスを評価すべきだと思いますし、値段の点だけではなく、味わと言う点でも多くの人に受け入れられるバランスや飲みごたえは、もっと賞賛されてしかるべきだと思います。