スコットランド旅行~ボウモア蒸留所 製粉から発酵編~

今回もボウモア蒸留所について。
製麦偏』に引き続き、『製粉か発酵編』ということで、熟成前までの過程について、写真中心に記述していきます。

まず、モルト(大麦麦芽)は、ディストナーと呼ばれる機会に通され、石やゴミなどを取り除きます。

ディストナー

ディストナーの中の様子。取り除かれた、小石を見ることが出来ます。

ディストナーの中の石

次に、ディストナーにかけられモルトは、モルトミルというローラー式の製粉機で、粒子が荒い順にハスク、グリッツ、フラワーの3種に挽き分けられます。この総称を、グリストと呼びます。

モルトミル

この時、モルトを挽き分ける比率は、蒸留所によって、微妙に違う場合があるのですが、

『 ハスク:グリッツ:フラワー = 20:70:10 』 という比率が、一般的です。

その比率で、挽き分けるのには、それぞれ意味があるのですが、非常に長くなるのでここでは、割愛します。

詳しく知りたい方は、『シングルモルトを愉しむ』 土屋守氏・光文社 をお読みください。

下↓の写真は、右から、グリスト、モルト(大麦麦芽)、バーレイ(大麦)、恐らくまたグリストです。見学者用のサンプル。

グリスト、モルト(大麦麦芽)、バーレイ(大麦)

その後、引き分けられた、グリスト(ハスク、グリッツ、フラワー)は、マッシュタン(糖化槽)に入れられ、お湯(60℃~70℃程度)を加えて混ぜます。あとから、お湯をスプリンクラーの様なもので足したりするのですが、複雑なので割愛させていただきます。

これ↓がマッシュタン。

マッシュタン

この作業をマッシング(糖化)と呼び、メインの目的は、デンプンからアルコール発酵に利用可能な発酵性糖類(主に麦芽糖)作り出すことです。

下の↓写真に写っているのが制御盤です。マッシュタンに入れるお湯からマッシュタンで得られたウォート(麦汁)までをこちらで、一括管理しているようです。

マッシュタンの制御盤

このマッシュタンの中では、デンプンをモルト自身の酵素の力で、麦芽糖へ変えたり、タンパク質を自身の酵素の力でアミノ酸に分解したりして、この後の発酵(ファーメテーション)に備えます。

この時に作り出される、麦芽糖やアミノ酸を多く含む液体をウォート(麦汁)と呼びます。

その後、ウォート(麦汁)を冷却し、発酵(ファーメテーション)の過程へ移ります。

発酵(ファーメテーション)は、ウォッシュバックという発酵槽で行ないます。

ウォッシュバック

近年、マッカランやラフロイグがステンレス製のウォッシュバックに切り替えて使用していますが、ボウモアは、伝統的な材である、オレゴン松を材として利用しています。

↓操業を一時停止しているので、カラの状態です。

ウォッシュバックの中

この過程で、麦汁(ウォート)に酵母(ディスティラリー酵母)が加えれ、アルコール発酵が行われます。

アルコール発酵とは、ブドウ糖から、二酸化炭素とアルコールとエネルギー発生させる化学反応で、これによって初めてお酒になるわけです。

また、合わせて乳酸菌による乳酸発酵も行われて乳酸が発生し、酸味や香りの成分も造られ、モルトウィスキーの味わいに複雑さをもたらすそうです。

これによってできるのが、ウォッシュ(もろみ)と呼ばれるホップの入っていない濁ったビールのようなものです。

このウォッシュを蒸留することによって、ニューポット(熟成させていないウィスキーの元の蒸留酒、スピリッツとも呼ばれます)となります。

次回は、蒸留編です。お楽しみに。